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図書館戦争に愛を込めて☆熱く語らせていただきます。堂郁、手柴中心二次創作サイトです。
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先日、ひじりさんのお茶会にお邪魔させていただきました。
もてなしてくださった ひじりさん、ご一緒させていただいたみなさん、ありがとうございました。
短時間でしたが、楽しい時間を過ごさせていただきました♪

そこでのお話で、みなさんに笑っていただいたので、SS に起こしてみました。
元ネタは「Lovely complex」です。
その場にいらっしゃらなかった方でも、あああ!って思われるでしょうね、ふふふ★
そのままなんですよねえ。

では!

『growing』
堂上班 郁入隊二年目くらい  これって、そうなのかな?



「うわあ、また、伸びた」


健康手帳に書き込まれた数値を見て、郁はいやそうな表情を浮かべた。


「身長のわりに、体重がないわねえ。ダイエットでもしてるの?」


勤務医の質問に、郁は首をぶんぶんと横に振った。


「とんでもありません。もりもり、食べてるんですけど」


勤務医は、事前に提出された郁の健康アンケートに目を通して、郁の身体を上から下まで見た。


「健康診断の所見でも異常は見られないから、特に問題はないけどね。だめよ~不健康なことしちゃあ。特殊部隊は、特に身体が資本なのよ。いいわね。できれば、体重をもう少し増やす方向でね」

「はあい」


郁は返事をして一礼し、健康管理質を後にした。



特殊部隊は、その業務の特異性から、三ヶ月に一度の健康診断を義務付けられている。
班毎に月割りされていて、今月は堂上班を含めた三班が健康診断を受けることになっていた。


郁は特殊部隊事務室へと続く廊下を憂鬱そうに歩いた。

三人の兄たち同様に、郁の身長は、標準よりいつも上だった。
その身長がぐんと伸びたのは、中学時代。
整列するときにいつも後ろから友人たちの頭を眺めた。
高校時代も成長が止まることはなく、緩やかな曲線を描いて、上へと伸びていた。

さすがに成人式を迎えて、そろそろ身長も打ち止めだろうと思っていた。
実際、図書隊入隊時の健康診断では、大学入学時の身長より数ミリ伸びていただけだった。


「笠原、健康診断から戻りました」


事務室に戻ると、すでに堂上班の男性陣は健康診断を終えて、くつろいでいた。


「特に異常なし、でした」

「そうか、よかったな」


郁の報告を受けて、堂上はほっとした表情を浮かべた。


「でも、身長が伸びたんですよ」


首を傾げて、郁は堂上に訊ねた。


「成長期って、いつまで続くんでしょうね~」


ごふっと飲みかけのコーヒーを吹きそうになったのは、小牧だ。
ごほごほと咳き込んだ。


「伸びたって、何センチ伸びたんだ?」


聞いてきたのは手塚だ。


「俺も伸びたぞ」

「ふーん、何センチ?」

「2cm」

「うわあ、一緒だあ。お揃いだね」


そこで、小牧が再び咳き込む。


「さすが同期。気が合うんだね」

「いや、こいつと揃いって、嬉しくありませんから」


手塚が心底いやそうな顔で首を振った。


「それ、どういう意味よ、ちょっと」


郁は手塚に詰め寄った。
小牧は手塚と郁のようすをおかしげに眺め、堂上の肩をぽんと叩いた。


「で、わが班長殿は、何センチ伸びたのかな?」


郁と手塚は、そのとき、小牧の背中に黒い羽と先のとがった尻尾を見た。
小牧が堂上を「班長」と呼ぶときには、いいことがないのだ。

堂上は不機嫌な顔を更に不機嫌にして答えた。


「2ミリ伸びた」


ごふっ!
小牧は腹を抱えて笑い始めた。
今日一番の上戸だ。


「堂上、それってさあ、誤差って言わない?」


腹筋がつる~と涙目で小牧が転げて笑う。

ぷうと頬を膨らませて、堂上はつんと視線を逸らした。


「伸びたもんは、伸びたんだ」


そこにいた誰もが突っ込めない雰囲気に、沈黙が続いた。
その沈黙の中、呟いたのは郁だった。


「そっかあ。あたしの2センチも誤差かなあ~」


手塚と小牧が同時に首を振る。


「いったいそれってどんだけいい加減な測定器だよ」


ふたりの突っ込みに、郁は苦笑した。


「だって、この年になってまだ身長伸びるなんてさあ」

「まあ、二十歳(はたち)過ぎても成長期だって人もいるって聞いたことがあるから、あながちそうじゃないこともないんじゃないかな」

「はああ、でもさあ。2センチくらいならいいけど、これがずっと続いたら、制服変えなきゃならなかったり、面倒だわ」

「ああ、そうだな。俺も微妙なサイズだったから、たぶん制服のサイズアップしないと、丈が足りない」

「スタイルがよろしいことで」

「しかたないだろう」

「まあねえ、こればっかりは、ちょんぎるわけにもいかないしね」


部下の話を聞きながら、堂上の表情はますます不機嫌さを増していった。


「どっ、どう…どうじょう教官?あのお…」


それに気付いた郁は恐る恐る声を掛ける。
堂上はどんとカップを机に叩きつけるように置くと、郁に一瞥を投げた。


「気にするな。お前のそのどうしようもない頭を見ていると、まだまだ成長してもらわにゃならんと、切実に思うから、まだまだ伸びとけ」


八つ当たりがたっぷり込められた口調に、郁は半べそをかいた。


「教官、怒んないでくださいよ~」

「怒ってなんかない!」


郁は困ってあれこれ考えた。


「あっ、きっと今朝教官に拳骨もらったから、それで頭にたんこぶできてて、その分背が伸びたんですよ」

「2センチも飛び出るたんこぶができるほど、俺はお前の頭を叩いてない」

「えっと…あっ、靴下履いたままだったのかな?」

「2センチも高くなる靴下ってやつにお目にかかってみたいものだな」

「じゃあ」

「じゃあってなんだ、じゃあって」

「えっと…笠原の頭は軽いから?ほら、頭が重い人はその分背骨に負担がかかって骨が縮むそうじゃないですか」

「そんなら、お前の頭には重石でもつけとけ」

「えええ、ひどーい」


延々と続けられる不毛の言い合いに、小牧の上戸は止まらず、手塚もいい加減飽きて冷たく見守っていた。
当人たちは、不毛が不毛であるがために引き際を見失ってしまった。


業務開始のチャイムが二人を救い出すまで、あと10分。

短くも果てしない10分の戦いであった。



fin.


あとがき
堂郁夫婦漫才でございます。

元ネタはご存知のように、ラブ☆コンです。
リサちゃんが身体測定で「うわっ2センチも伸びた~」って凹むと、大谷くんが「聞いて驚け、2ミリ伸びた」って嬉しそうに言うシーンです。

堂郁にそのままスライドできるねって話でね。
そのままスライドしてみました。

特殊部隊は、ヘリに乗ったり降下があったりで、身長体重の管理は厳密にされていると思います。
アニメの県展のときは、ラフだったけど。
だから、身長も体重も健康診断の測定項目に入ってる。

くすりと笑ってくださればそれで満足です。
感想などお待ちしてます♪
読んでくださってありがとうございました。
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