図書館戦争に愛を込めて☆熱く語らせていただきます。堂郁、手柴中心二次創作サイトです。
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日によっては夏のような暑さです。
春は待って待って、あっという間に過ぎてしまうんですね。
毎年、GW の前週に新聞折り込み広告で「国営ひたち海浜公園」のチラシが入ります。
ここ数年、一面のネモフィラの画像です。
私は本物のネモフィラを見たことはまだないんですが、実際に見に出かけた方のお話だと「一面青、青」だそうで。
英名『baby blue eyes』も納得。
きっとこのチラシを見た郁ちゃんはふと呟くんだろうな、と思って書きました。
短いです。
『Nemophila の 蒼宮』
堂郁 結婚時代 どこもかしこも、ぜんぶ青!
春は待って待って、あっという間に過ぎてしまうんですね。
毎年、GW の前週に新聞折り込み広告で「国営ひたち海浜公園」のチラシが入ります。
ここ数年、一面のネモフィラの画像です。
私は本物のネモフィラを見たことはまだないんですが、実際に見に出かけた方のお話だと「一面青、青」だそうで。
英名『baby blue eyes』も納得。
きっとこのチラシを見た郁ちゃんはふと呟くんだろうな、と思って書きました。
短いです。
『Nemophila の 蒼宮』
堂郁 結婚時代 どこもかしこも、ぜんぶ青!
今年の春はのんびりだなと思っていたら、今年の夏はせっかちらしい。
新年度が始まったのに、しばらく朝の暖房が当たり前だった。
それが、昨日は夏日を記録したらしく、午後の警備では汗だくになった。
先日の公休日にカーテンを冬物から夏物に換えた。
色も爽やかな寒色系にしてみた。
せっかくふたりでいるのだから、その空間を大切にしたい。
郁の一言に堂上は微笑んで頷いた。
もうすぐ新婚生活も季節を一巡りする。
いつものように朝食を取る。
ゆっくり顔を見ながら、小鳥のさえずりと朝日に囲まれて……
というのは、最初からない。
顔を見ながらは取るが、慌しく貴重な朝の時間を優雅に楽しむ余裕はない。
堂上は、朝刊に一通り目を通す。
郁は、新聞広告を広げる。
食料品の買出しに毎日出かけるわけではないが、特売品だったり、少しずつ揃えだしたインテリアを物色したりする。
帰宅してからでもできると思うのだが、その日の特売を逃したことがあるので、主婦としては朝見たいのだ。
いつものように、新聞の間から広告の束を抜いて、堂上が郁に渡した。
「うわっ、今日、週末じゃないのに、すごく厚いよ」
「ああ。来週からゴールデンウィークだからな」
「そっか。休みがカレンダーとずれてるから、すっかり忘れてた」
「だろうな」
「うん」
家の広告やら、車の広告。
日頃は見かけない店の広告も多い。
郁は、いつも見る店の広告だけをばらばらと取り出した。
「あっ」
広告をより分けながら、郁が小さな悲鳴を上げた。
堂上は新聞から目を上げて、郁を見つめた。
郁の手には、水色の広告が一部。
微笑んで、それはそれは嬉しそうに、その広告を眺めていた。
「どうした?」
堂上の問いかけに、郁は一言だけ答えた。
「ネモフィラ」
聞きなれない言葉に、堂上も郁の手の広告を覗き込んだ。
それは、国営ひたち海浜公園の広告だった。
見開きいっぱいに青空と大地に咲き乱れる青い花。
その青い花が「ネモフィラ」だった。
丘に植えられたネモフィラが見ごろを迎える。
空の青なのか、大地に咲くネモフィラの青なのか。
わからなくなるほどに、一面青い世界になるのだそうだ。
「すごいな」
堂上が感嘆のため息をこぼすと、郁も、ほぅと小さく息を吐いた。
「遠足で行ったんですよ、ここ。すごく広くて、すごくきれいで青かったんです。って言っても、小さかったから広く思えたのかもしれないし、シーズン中じゃなかったから、こんな風に一面じゃなかったけど」
遠い目をして、楽しそうに思い出を話す郁を堂上は愛しんで見つめた。
「みはらしの丘ってところに登ったんだけど、途中に逆さ見の場所っていうのがあって、こう、頭をぐりんとして股の間から見るの。そうすると、空と大地が反対になるのに、どっちも青いから、なんか不思議な景色に見えて、すごくすごく不思議だった」
食事中なのに席を立ち、郁が、こうやって、とやってみせる。
幼子のようにくりくりと輝く瞳で、堂上を逆さに見上げてきた。
くすくす笑って、郁が頭を元に戻した。
くらり。
頭を下げすぎていたからだろう。
一瞬、郁の身体が傾いだ。
さっと堂上が横から抱きとめて、郁は堂上の腕の中にすっぽり包み込まれた。
「食事中に行儀の悪いことをするからだ」
「はあい」
ばつの悪い笑みで郁が堂上を見上げる。
堂上はまったく、と思いつつ、そのまま郁の唇を啄ばんだ。
「つまみ食い禁止」
「朝飯しっかり食わないと、昼まで持たんぞ。今日は陸上訓練だぞ」
「忘れてた。なら、あたしも」
堂上の首に腕をかけて、ぶら下がるようにして郁は堂上に口付けた。
「行くか?」
ふいに堂上がカレンダーを見やりながら言った。
郁もつられてカレンダーに視線を向けた。
「さすがに連休全部は無理だったが、連休最終日とその翌日に連休をねじ込んどいた。連休に休みを引っ掛けないと、小牧がうるさいからな」
にやり笑って、堂上がもう一度郁に訊ねた。
「行くか?」
郁はこくりと頷いた。
頷いて、微笑んだ。
窓の外には、今日も青い空が広がっていた。
fin.
あとがき
茨城県民だった郁ちゃんなら、きっと遠足に行くだろうなあ、と思ったのがきっかけです。
ネモフィラは一度実物を見てみたいと思うほど、青くて綺麗です。
写真で見る限りは、オオイヌノフグリっぽい花です。
日本名『瑠璃唐草』も英名『baby blue eyes』もどちらも素敵な名前。
初夏の青空だから映える青なんだろうなあ。
ちょっと朝からいちゃつかせてみました。
堂郁はいつまでたっても、ちょっとしたタイミングでいちゃつくと思うし、いちゃついて欲しいと思う。
読んでくださってありがとうございました。
感想などお待ちしています。
ネモフィラをごらんになったことのある方のお話なんか、うかがいたいなあ。
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プロフィール
HN:
亜生(あおい)
性別:
女性
自己紹介:
関東の片田舎に住む。
典型的 O 型人間。
せっかちなのにのんびりや。
好物はハチミツと梅酒。
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