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図書館戦争に愛を込めて☆熱く語らせていただきます。堂郁、手柴中心二次創作サイトです。
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今日の SS は  『Lettuce Salad』 のもうひとつのバージョンです。
堂郁が新婚時代なのは、同じです。

堂郁新婚家庭は来客が多いと思います。
敷地内官舎という地の利もありますが、小牧教官と柴崎はすごくふたりのことを気にしていると思います。
手塚は堂上教官を気にしていると思います。
「目の中に入れても痛くないくらい」?あれ?違うかな、笑。

長くなってしまったので、前後編に分けました。


『Lettuce alone 』 ~前編~
堂郁+α 革命エピソード 堂上家のカレーを食べよう。




「おはようございます」

一礼して、特殊部隊事務室へと入る。
堂上が入隊してから、変わらぬ朝の習慣だ。

それに郁が加わったのは、つい先ごろのこと。
結婚して、敷地内官舎に新居を構えてからは、ふたり一緒に通勤してくる。
更衣室へ寄って着替えて、事務室へ向かうわけだが、二人とも着替えの時間にあまり差がないから、
自然、二人一緒に事務室へと出勤することになる。


「おはよう、堂上夫妻」


さわやかに挨拶を返したのは、小牧だ。


「夕べはご馳走さまでした」


郁に向かい小牧が丁寧に頭を下げる。
郁はあわてて、両手を振った。


「小牧教官、やめてくださいよ。ああ、そうじゃなくて… お構いもいたしませんで。また、いらしてください」


新婚の若妻よろしく郁も頭を下げた。
隣では堂上がくっと一瞬笑いを零す。


「ちょーっと、篤さん、今のとこ、笑うとこですか?ちゃんとご挨拶できたと思ったのに…」


郁が頬を膨らませて、堂上に抗議する。
堂上は悪かったと郁の頭にぽんと手を置き、そのまま髪をくしゃりと撫でた。

そのさまは、どこからどう見ても、新妻を夫がかわいがっている様にしか見えない。

突っ込みたくても、突っ込んだら二人から集中砲火を浴びること間違いなしの小牧は、
必死にこみ上げてくる笑いに耐えた。


「おはようございます」


タイミングよく、手塚が入ってきた。
一礼して、自分の机に向かう。

と後ろから、ひょっこり顔をのぞかせたのは、柴崎だった。


「おっはようございまーす」


挨拶をされた誰もが、今日一日幸せに過ごせると錯覚を起こす、女神の微笑を浮かべての登場だ。


「おはよう」

「おはよう」

「しっばさきー、おっはよう」


笑顔全開で飛びついてくる友人の顔を片手で止めて、柴崎は堂上に向かい丁寧に頭を下げた。


「昨晩はご馳走さまでした。お世話さまでした」


完璧な社交辞令の挨拶に堂上はいやいやと頭を振った。


「馳走もなにも、俺たちが出したのは、カレーだけだったし。
飲み物もデザートも、お前たちが用意してきてくれたものだったろう」

「あっらー、それだけじゃありませんでしたよねー、小牧教官」


柴崎の完璧な笑顔が小牧に向けられると、小牧もそれに習って完璧な笑顔を堂上夫妻に向けた。


「そうだね。おなかいっぱいいただいちゃったからね」

「もうおなかいっぱいになりすぎて、苦しかったんですよ、堂上教官」


ハートマークが飛び舞う柴崎の視線に堂上は苦虫をつぶした表情で、「さっさと始業の準備をしろ」と自分の机に座り、そのままがたごとと机上の整理整頓を始めた。
ひとり取り残された郁は、えっとえっと、と必死で考えをめぐらせた。


夕べのメニューは…



***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****



いつものように、朝早く、特殊部隊では一番か二番という早さで出勤した堂上は、
玄田隊長から預かった書類に目を通していた。

とん、と机の上に、堂上のマグカップが置かれた。


「朝からお疲れさん」


それは、小牧からだった。
机の端に腰掛けて、コーヒーを啜りつつ、小牧が堂上の髪に顔を寄せた。


「なっ、なんだ。いきなり」


突然の小牧の行動に堂上は動揺した。
その拍子に、机ががたがた揺れ、マグカップのコーヒーに大きな漣が立った。


「うん。いい匂いだと思って」


くんくん、と堂上の髪の香りを嗅ぐ小牧から、堂上は身を反らせて離れた。


「もしかして、今夜の晩御飯、カレーだったりして」


堂上は思い切り目を開いて、自分の服の香りをくんくん嗅いだ。
しかし、通勤して着替えた制服に、カレーの匂いはまったくしない。
首を傾げて、どうしてわかるんだ?と小牧に問うた。


「朝、火を通してきたんだろう。奥さんじゅなくて、お前が。
髪がカレーのにおい、吸ってる。うまそうなにおいだよ」


そうなのか、と堂上は一人納得して、再び書類を手にした。


「堂上、カレーたくさん作った?」


うっ、と堂上が息を詰めたところをみると、鍋いっぱいだね。二人で食べきれない量だね。
と、小牧は解釈した。


「たまねぎが安かったから、たくさん買ったんだ」


言い捨てるように、堂上が言い訳をする。


「そっかー。いいなあ。食堂のカレーもおいしいんだけど、堂上家のカレーもうまそうだよねー」


決して自分から「食べたい」だの「食わせろ」だのを言わず、いいないいな、と呟く小牧に
ついに堂上は根負けし、「今夜食わせてやる」と約束してしまったのだ。


言質を取り付けた小牧は、上機嫌で飲み干された堂上のマグカップと自分のマグカップを片付けに
事務室を出て行った。
鼻歌を口ずさみながら。

入れ替わりで郁が入ってきた。

ここのところ天候が不順だった。
洗濯物がなかなか思うように乾かず、今日の晴れを逃したら今度はいつ大物が洗えるかわからない。
ということで、朝からがんばって洗濯をしてきた。
そのせいで、堂上と一緒に通勤することはできなかったのだ。


「おはようございます、って、篤さん、朝から機嫌悪くありませんか?」


郁は堂上の顔を見るなりそう言った。
眉間の皺がいつもより多かったから。


「そんなことはない。今夜小牧が来る」


用件だけを伝えて、堂上は自分の不機嫌を悟られないようにした。
すると、郁は、にっこり笑った。


「小牧教官も来るんですね」

「も?」

「はい。さっき、柴崎と会って、今夜晩御飯食べに行ってもいいかって聞かれたんで、どうぞって。
篤さんが作ってくれたカレーがいっぱいあるから、ひとり増えてもいいかなって思って
オーケーしちゃったんですけど…まずかったですか?」


座っている堂上を立っている郁は見下ろす形になる。
郁は精一杯目線を下げて、下から見上げるように、堂上の顔をうかがった。
どうやっても、堂上が見上げ、郁が見下ろす形は変わらないのだが。


「柴崎もカレーが食いたいって言ったのか?」

「ええ。うちにいるときはわからなかったんですけど、洋服がカレーのにおい吸ってたみたいで、
朝からあちこちで 『今夜の堂上家はカレーか』 なんていわれました」


篤さんのカレーは天下一品なんですよ、って本当は言いたかったんですけど、ネ。

小声で付け加えて、郁がにっこり笑う。
その笑顔を見て、堂上は仕方ないかとあきらめた。


入り口で、そんなふたりを小牧が微笑ましく見ていることなど、
お互いしか目に入らない二人には気づかないことだった。


To be continued.


あとがき

カレーの匂いって、すぐにわかりませんか?
晩御飯の時間に歩いていると、どこの家が今夜カレーかってすぐに見当つきます。
玄関開けると、ぷーんって香ってくるんだけど、しばらくすると、そのにおいに慣れちゃう。
今はルーも進化して、一晩寝かせなくてもおいしいカレーができますが、
それでも次の日に食べるカレーが好きです。
ちゃんと朝、火を入れて、冷蔵庫にしまいます。
一度、火入れしてそのまま出かけたら、悲惨なお鍋に大変身していたことがあったので、
同じ轍は二度踏みません。
今回のカレーも堂上教官作です。
簡単な料理こそ、男の人が作ると、めちゃくちゃ凝ってておいしくありませんか?

ではでは後編に続きます。
続いて読まれる方は コチラ からどうぞ。

感想をお寄せいただけたら、うれしいです。
読んでくださりありがとうございました。
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カワイイ郁ちゃんがいいですよねvvv
森くま EDIT
at : 2008/06/23(Mon) 18:04:26
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亜生(あおい)
性別:
女性
自己紹介:
関東の片田舎に住む。
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