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図書館戦争に愛を込めて☆熱く語らせていただきます。堂郁、手柴中心二次創作サイトです。
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「今夜何にしよう?」
一人暮らしでも主婦でも、午後の悩みはコレだと思います。
ふつふつと考えていたら、いつの間にか方向性を失って、とんでもない方向へ走っていました。
思い立って書きなぐっています。

教えて、堂上教官!第三弾です。
今回はRなしです。
内容的には近いんですけど、ピンボケなので。


『教えて、堂上教官!Vol.3』
郁+α 戦争~危機  教えてください!堂上教官!



がらっ!
ばしゃっ!
ドン!

派手な音を立てて、特殊部隊事務室の扉が開けられて閉められた。
図書基地の中でも、どちらかというと蛮カラな特殊部隊なので、その作法をとやかく言う者はいない。
しかし、入ってきたのが笠原だったから、心配そうな好奇心丸出しの視線が一斉に走った。
こうやって笠原が事務室に入ってくるときには、必ずといっていいほど、なにやら問題を持ち込むからだ。
それも、業務関係のことは少なく、笠原だから、という問題なのだ。

特殊部隊の面々の視線を諸共せず、笠原はドンと自分のデスクに座った。
これまた、派手な音を立てて、バンと机を叩くと叫んだ。


「なんであたしがおかずなのよ!!!」


―― オカズ?
―― おかずって、あのオカズか?
―― 笠原をおかずにってか?

先輩諸氏の目が泳ぐ。
笠原の次の台詞を待つ空気が痛い。


「どうせ、あたしはおかずですよ」


―― ちょっと待て。聞き捨てならんぞ。
―― 堂上以外に、笠原をオカズにしてるヤツがいるのか?


先輩諸氏の視線がゆっくりこっそり堂上へ動く。
案の定、堂上は固まっていた。
事務室の誰もが対処に戸惑っていると、一番冷静だった緒形が笠原に声をかけた。


「笠原、ずいぶん穏やかでないな」

「緒形副隊長ー」

「どうした?」


ぶつぶつと「どうせあたしはおかずだよ」と呟いていた笠原はようやく落ち着いて、事の次第を話し始めた。


図書館内で女性を狙って痴漢行為を働く輩が出没した。
(ちょっと前には男性を狙って痴漢行為を働く輩がいたのだ)
特に若く短いスカートの女性が的になっていた。

最初はすれ違いざまにぶつかる。
「すみません」と声をかけられるから「いいえ」とたいてい答える。
開架棚の狭い場所を狙われるから、女性はわざとぶつかられたとは思わない。
本を探しているのだから、女性がその場所からすぐに動くことはない。
そこで、次に女性の後ろに立ち、ボディタッチをしてくる。
背伸びをして、手がやっと届く高さの本を取る振りをして。
やはり「すみません」と声をかけ、その男は立ち去っていく。

はじめは偶然だろうと思っていた館員も、その一角の本だけ一緒に探して欲しいと願い出る女性の多さを不審に思い、調べてみたら不埒な輩の存在が明らかになったのだ。

一度味わった快楽は何度だって味わいたい。
その心理をついて、罠を仕掛けた。

配役は使い勝手のよい特殊部隊唯一の女性隊員、笠原だ。、
ぴったりフィットのキャミソールに短いフレアスカート。
柴崎いわく「そそって、且つ、動きやすさを追求してみました」というスタイルだ。
フレアスカートは、案外足裁きがよく動きやすい。

犯人は無事捕まり、笠原も怪我ひとつなく無事任務を終えた。

堂上もほっとした矢先だったのだが……


「犯人を捕まえて、更衣室へ行こうと思ったんです。廊下を歩いてきて、ちょうど休憩室の横を通ったら、自分の名前が聞えて」


『おい、見たか?笠原の足』
『見た見た』
『生足だったよなあ』
『うまそうだったよなあ』
『今夜のオカズにさせてもらいますか?』
『俺、何杯でもいけちゃいそうだよ』
『いただいちゃいますか、ははは』


笠原は聞いたままに話す。
緒形も相槌をするだけで、口を挟まずに聞き役に徹している。
堂上は眉間の皺を増やしていった。


「いくら、あたしの足がししゃもだからって! くっそお」


―― ししゃも???
―― ししゃもって?
―― 俺らの足がししゃもってなら、わかるが。
―― 笠原の足はししゃもとは程遠いぞ。


鍛えすぎた筋肉がついたふくらはぎを「ししゃも」と呼ぶことがある。
細い足に筋肉がまるで「子持ち」のようにつくからだ。
ただ、あまりいい意味ではなく、揶揄に使われることが多いのだが。


「確かに、この頃トレーニング量減ってるし、ちょっとまずいかなって思ってたけど。でもまだししゃもになってないと思ってたんだけど……うわーん、くやしい。トレーニング増やしてやる」


―― ししゃもになんかなっちゃいねえよ、笠原。
―― お前の足が綺麗過ぎるんだよ。
―― ああ、そのミニスカートは目の毒だ。


緒形はゆっくり頷いて笑った。


「そいつらは、よほど腹が減っていたんだろうな。腹が減ると、なんでも食べ物に見えるんだ。これからの時期、ししゃもを酒の肴にするのもいい」


はははと笑って、緒形は堂上の肩を叩いた。
選手交代といった感じで。

肩を叩かれた堂上は眉間の皺をそのままに笠原に近づいた。
頭にぽんと手を置く。
ぽんぽん、とやさしく手を置いた。

俯いていた笠原がゆっくりと顔を上げる。
ほんの少し目尻が赤い。

笠原は堂上を見上げ、続いて自分の足に視線を落とした。


「教官、あたしの足、ししゃもみたいですか?そんなにおいしそうですか?」


ごふっ、と吹き出したのは上戸の小牧だけでなく、特殊部隊事務室にいた全員が吹き出した。
堂上は一瞬青くなり、そして、いきなり拳骨を落とした。


「阿呆か」

「いったーい。教官、ひどい」

「そんな戯言に惑わされて。誰がお前の足を見てそんなことを思うんだ」

「だって、この頃ちょっと太ったし、トレーニングの量だって選手時代よりずっと少ないし」

「今のままで十分だ」

「そうですかあ」


もう一度笠原の頭に拳骨を落として、堂上は背を向けた。
そのまま笠原を見ていられなかったのだ。

確かに短いスカートからすらりと伸びた笠原の生足は魅力的で、堂上だって考えなかったわけではない。
でも、それは自分だけの特権のようなもので、他の連中にも許せるようなことではなかった。

それだけ、笠原が大切で愛おしかった。


―― おい、見ろ。
―― ああ、堂上、絶対考えてるぞ。
―― あいつの頭ん中、笠原の生足だな。


ほんのり耳が赤くなった堂上を小牧が見逃すはずがない。
止まらぬ上戸のまま、堂上の肩を小突いた。
堂上はきっと睨み返し、けれど、そのままそっぽを向いたままだった。


と、ここでこの話は終わるはずだった。
しかし、自分の視界に飛び込んできた小牧に笠原はとんでもないことを言い出した。


「そういえば、小牧教官、毬江ちゃんもししゃもなんですか?」


ぴたりと上戸を止めた小牧の周りの空気の温度が一気に下がる。
首を傾げてにっこり微笑む。


「ん?どうして?」

「犯人が捕まった後でちょうど図書館に来た毬江ちゃんに会ったんです。もう大丈夫だよって話して。その後で休憩室を通ったんですが、そのときあたしより毬江ちゃんのほうがいいって言ってたのもいたんで」

「そうか……」


―― ああ、笠原のアホ。
―― おい、小牧の目、色が変わったぞ。
―― 俺は知らねえぞ。どうなっても知らねえぞ。


「あれ?でも、毬江ちゃんのスカート長かったのになあ」

「どうしてだろうね」

「きっとあたしなんかより綺麗な足してるんでしょうね。いいなあ」

「笠原さんほど鍛えてないから、どうだろうね」

「若いからなあ」

「ははは」


疑問に深く突っ込まず笠原と小牧は笑っている。
笠原は単純に「おかず」をおかずとしてしか認識していないからだろう。
しかし、小牧の冷たい笑いに事務室の空気は薄氷が張り詰め、わずかな衝撃でもろく崩れ去る直前のような雰囲気だった。


「でさ、毬江ちゃんをいいって言ってたやつ、誰か教えてくれないかな?」


にっこり微笑む小牧に笠原もにっこり微笑み返して、毬江をオカズにしたがっていた者の名を告げた。


この直後、後々伝説となる『小牧恐慌』が起こったのは、当然のことといえよう。


そして、笠原はオカズの意味も知らぬまま、トレーニングに勤しむ日々を送ることとなる。

fin.

あとがき
教えて!堂上教官シリーズです。
といっても、今回は「教えてください、堂上教官」の台詞は出てきてないんですが、雰囲気的にこのシリーズにいれちゃいました。

「オカズ」の意味はまあ、そういうことです。
オカズをおかずだと思い込むほど、郁ちゃんは純粋培養かな?と思いもするんですが。
でも、この時期はまだ知らなかったということで。

そのうち、男の生理なんかも詳しくなっちゃって、堂上さんがあたふたするんですよ、笑。
生足写真を差し出して「使ってください」なんていっちゃったりして、爆。
いやいや、それはないと思いますけどね。

郁ちゃんの勘違いで、特殊部隊事務室は常にハラハラの連続です。
教えてやりたいけど、堂上さんの目が光ってて。

小牧恐慌……すごそうだな。

くすりと笑っていただけたら嬉しいです。
ピントを外した感たっぷりなんですが、読んでくださりありがとうございました。
感想などお待ちしています。

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関東の片田舎に住む。
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